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キャロ
…泣かないのね。 |
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ハーディン
公爵邸占拠の騒動でショックを受けて一時的に口が利けなくなっているんだ。
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お腹は空いてないか? |
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ずいぶんと優しいのね |
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ハーディンの影
…国家保安庁に属していたときのことだ。
オレはある任務についての調査を受けていた。
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それは敵国の反体制派へ武器を秘密裏に流すという特殊任務に対する調査だった。
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その武器の一部が先方に届いていないというのだ。
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武器の一部を横流しし闇ルートでさばいて小銭稼ぎをしているヤツがいると。
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…皆がやっていたことさ。
犯人はオレだけじゃない。
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そのとき、やつらはオレに取り引きを持ちかけてきた。
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免責を保証する代わりに仲間を売れとね。
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…オレにはひとまわりも年の離れた弟がいた。
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弟は病気だった。
いつ死ぬかも知れない病気だったんだ。
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金も、自由も欲しかった…。
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オレは仲間を売った。
だが、ヤツラはオレを自由にしなかった。
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牢獄から逃げた時、弟はすでに死んでいたよ……。
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あなたがメレンカンプに属するのは、あなたに不正を働かせた社会に対する復讐なの? |
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また、オレの心を読んだのか!
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こんなことをしてもあなたの弟は帰ってこないわ
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黙れッ!
貴様に何がわかるッ!!
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弱者のふりをしたってダメ!
自分の弱さを誰かのせいにしてはダメよッ!! |
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貴様ッ!
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こんなに早くたどり着くとは…!
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ギルデンスターン
"飼い馴らせる"のは
貴様たちだけではないのだよ。 |
2006 NICCO |
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言え!鍵はどこだ?
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……知るか! |
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ガードしても無駄だ。さあ、言うんだ。
ほ、本当に……知らん……。 |
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手がかりくらいは知っているだろう? |
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き、貴様ッ、シドニーと同じ能力を…!
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何故だ……!
そこまで"魔"に……触れてはいないはずなのに! |
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"魔"がレアモンデだけにしかないとでも思ったか?
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法王庁をナメるな!! |
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大丈夫か?
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あ、ああ。 |
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もう大丈夫だ。
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この街を手に入れるために後継者の儀式を行おう。 |
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鍵を…見つけたのか? |
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鍵?
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『血塗れの罪』さ。 |
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ああ、そうだ。
『血塗れの罪』だったな。 |
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オレを試しているのか?
シドニー。
ああ、そうさ。
話してくれ、兄弟。
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『血塗れの罪』と呼ばれる鍵を持つ者こそ後継者の候補だ。
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後継者は、"魂(ファントム)"を生け贄にすることで、魔の力を自由に操ることのできる所有者となれる…。
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魂なんかこの街にはうようよいるからな。
あとは鍵だけだ。
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さあ、時間がない。見せてくれ、オレに。
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くそッ!!
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『血塗れの罪』だと…?
どこかで聞いた気が……? |
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かつて異端審問が行われていた時代、"逆位置の聖印"の入れ墨を邪教の者である証として刻んだという…。
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それを『血塗れの罪』と呼んだ……。 |
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そうか!
シドニーはすでに鍵を手に入れている!! |
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なに?
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ヤツの背中の入れ墨こそ『血塗れの罪』!
ヤツはすでに鍵を手に入れているのだ。
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貴様は騙されていたのだよ。
ば、ばかな…。 |
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だとするならば、何故、シドニーは後継者とならないのだ?
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公爵の命はあとわずかだというのに…? |
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まさか…公爵の命令に従うつもりなのか……?
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キャロ
いけないッ! |
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2006 NICCO |
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2006 NICCO |
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シドニー
…ハーディン。 |
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ローゼンクランツ
あのリスクブレイカーに何をさせようって言うンだ。 |
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わかっているんじゃないのか?
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そうか…。やっぱりアイツを"後継者"にしようっていうンだな。 |
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あきらめたのさ。
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"不完全な死"ではやはり意味がない。
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どういう意味だ?
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わからんのか?あの男はこの魔都を受け継ぐに相応しい。
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"魔"を受け継ぐすべての条件を兼ね備えている。 |
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あんな軟弱な精神の持ち主がか?
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青二才のようにくだらない正義感にふりまわされているヤツだぞ!
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それがいいんだよ。
"魔"を悪用したりしない。
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貴様のようなくだらん輩と違ってな。 |
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…ヤツに負けた腹いせにこのオレをいたぶるつもりか?
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だが、貴様はオレに『かなわない』よ。
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オレにはアンタの力は通用せンよ!
観念するンだな…。 |
2006 NICCO |
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どーよ、この有り様 |
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なんだって、あのヤローが"後継者"なンだ? |
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もうオレしかいないンだぜ。
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ハーディンは死んだ。
あのジジイももうすぐくたばる。
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そしたら、シドニー、アンタも消えていなくなっちまうンだぜ?
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この街を法王庁の馬鹿どもにくれてやるつもりか?
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違うだろ?
そんなためにこれまでオレたちは苦労してきたわけじゃないはずだ。
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そうだろう、シドニー?
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オレに任せろ。
オレが立派におまえの意志を継いでやる。
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さあ、儀式を!
オレを後継者に指名するンだ! |
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貴様のような下衆は…
地べたを這いまわっているのが
お似合いだ…。 |
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さすがの不死者でも切断された腕をくっつけることはできンだろ?
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アッハッハッハ。 |
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…な、…何故だ? |
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オレの四肢は神に捧げたのさ。 |
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…おまえの顔は見飽きた。 |
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…無駄だ。
アンタの能力はオレには通じンよ。 |
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あ……!? |
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ここがレアモンデだということを忘れるなよ、ローゼンクランツ。 |
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オ、オレを騙していたのかッ! |
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騙した?
人聞きの悪いことをいうな。
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オレの能力が効かないとお前が勝手に思い込んでいただけだろう。 |
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大丈夫だ、ローゼンクランツ。
オレはおまえを殺さない。
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この街を貴様にやろう!
すべての力を貴様に託そう!!
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だから、早く来いッ!
この高みまで!
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もうすぐだ!
おまえなら、すぐ来れるッ! |
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アシュレイ
そんなものはいらんッ!
メルローズはどこだ! |
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失った妻子を助けることができるかもしれんぞッ!! |
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会ったら謝るんだな!
かつての過ちをッ!! |