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サマンサ
ここから進めそうね。
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…何があるの?
ギルデンスターン
古代キルティア文字だ。
風化が進んでいて、読むことはできん。 |
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手がかりになりそう? |
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さあ、どうかな。
ただ… |
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ただ?
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ところどころ、特に深く壁に刻み込まれた文字があるんだ。 |
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ホントね…。
何を意味しているのかしら?
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ここにもある…。ここもだ。 |
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古代キルティア文字か…。
メレンカンプの時代ね。
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ああ、そうだ。
聖ヨクスが生まれるよりもはるか昔…
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まだ"魔法"が日常的に使われていた時代の文字だ。
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どうした?
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法王庁は邪悪な魔道士…メレンカンプの遺産、
すなわちグリモアを悪用されないように管理するのよね?
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…ああ、もちろんだ。
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シドニーのようなサイコに、こんな危険なものを預けるわけにはいかんからな。 |
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シドニーは"グラン?グリモア"を手に入れたと思う? |
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わからん。
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だが、手に入れたとすれば、我々はこうして会話していられないだろうな。 |
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究極の魔法が記された魔道書の中の魔道書、
"グラン?グリモア"か。
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それはひとつの契約にすぎん。
しかし、その契約こそが世界の盟主たるゆえんとなる。 |
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シドニー
手に入れてどうする? |
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シドニー……。
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貴様らこそが手に入れてはいけないシロモノだ。 |
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何を言うか!
長年、貴様と公爵が隠匿していたのは何のためだ。
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その力を用いて人心を、いや、神をも支配しようとしているのではないのか!! |
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やめてくれよ。
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人の弱い心につけ込んで、民衆を支配するのは貴様ら教会の専売特許だろう。
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いもしない神の"奇跡"をエサに人心を食いものにしているのは貴様らだ。
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…いや、きみもその弱い人間のひとりか。
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"信仰"という名の麻薬に冒された哀れな子羊なんだな、サマンサ。
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だが、きみを救ってくれるはずの男はもっとも邪悪な悪魔の一人だぞ、サマンサ。 |
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黙れ!! |
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もっとも優れた麻薬だからな、"愛"という名の信仰は。 |
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ガードしろ、サマンサ!!
付け入られるなッ!!
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ほう……。
さすが法王庁の代理人だけはある。
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たいした精神力だ、ギルデンスターン。 |
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…"支配"は貴様だけの特権ではない!! |
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特権ではないと言ったはずだ。
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無駄だ。
先を急ぐぞ。 |
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くそッ!! |
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逃げるがいい、シドニー。
どうせ貴様は我々のモノになるのだ。 |
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アシュレイ
グラン?グリモア……? |
2006 NICCO |
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アシュレイ
…雪?
いや、羽虫か。 |
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ニーチ
どうだ?開くか? |
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サマンサ
ダメね。"刻印"でがっちりとロックされているわ。
そっちはどう? |
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ただの工房だ。 |
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そうじゃなくて、被害の方よ。 |
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"戦況"のことか?
市街のほとんどは制圧したぞ。 |
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何人死んだの? |
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…60から70といったところだろう。
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ただ、連絡のつかない部隊もあるから、正確な数は"作戦"が終わってからでないとわからんな。 |
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午後からモンスターの数が増えてるわ…。 |
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知っている。 |
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夜になったらこの地上にだって出てくる…。 |
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…作戦に不満か? |
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そうじゃない!
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ただ…、"シミュレーション"と違いすぎるわ。 |
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おじけづいたか、サマンサ。
作戦に"変更"はつきものだ。 |
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ギルデンスターン
恐怖を支配せよ。 |
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さもなくば魂を"魔"に喰われるぞ。 |
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ロメオ……。
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我々の潜入に気付いたシドニーらが我々に対抗しようと、魔界から化けものどもを召喚しているのだ。
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だが、やつらも制御できてはいない。
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このままでは結界が破れ、化けものどもはレアモンデから溢れることになる。 |
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早くシドニーを捕らえないと…。 |
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そのとおりだよ、コマンダー?ニーチ。
わかっているなら、さっさと行動したまえ!!
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大丈夫か、サマンサ? |
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シドニーは何を考えているのかしら。
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自分で制御不可能なモンスターを召喚する…。
自暴自棄になったというの?
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ヤツのことを考えるな、サマンサ。 |
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…生態系が崩れるのに何故? |
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生態系? |
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…ヤツだ。
あのリスクブレイカーの仕業だ!
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くそッ! |
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ローゼンクランツ
そいつはケース72の症例に似ているな…。 |
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そいつは他人の視覚や聴覚などの五感にリンクするという"能力"だ。
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人はそれぞれ"波長"を持っていてな、似た"波長"を捕まえて"のっとる"のさ。 |
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聖印騎士団ではないな…。
シドニーの仲間か? |
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能力のあるヤツは"波長"に関係なくリンクできるンだがアンタはまだ無理なようだな…。
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オレの名はローゼンクランツ。
アンタと同じリスクブレイカーだ。
何だと? |
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アンタをバックアップするようリサイト長官から命じられたンだ。
パートナーってわけさ。 |
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リスクブレイカーは単独行動が原則だ。
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それに、任務途中での作戦変更は考えられない。 |
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アンタは何も知らンのだろう?
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メレンカンプも、レアモンデも、シドニーもなぁんにも知らンのだろうが。 |
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知っているとでも? |
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そうさ。
知らないのはアンタだけさ。
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化けものや"魔"の存在を議会やVKPは知っている!
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ただ、その情報が"極秘"なだけなンだよ。 |
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続けろ。 |
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アンタが公爵邸からそのままレアモンデへ向かうとは思わなかったンだよ。
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それで足手まといとなる情報分析官より、実戦で役に立つこのオレがパートナーを務めるよう命令されたってわけなンだ。 |
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"魔"の存在をVKPが知っていると言ったな。 |
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ああ、このオレが調査していたんだからな……。 |
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レアモンデは"牧場"なンだよ。 |
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何? |
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アンタがそうであるように"魔"に触れた者は不思議な"能力"を身につけることができる。
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どんな"能力"を身につけるかはその時になってみないとわからンが、とにかく、人間以上の存在になれるのさ。 |
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とにかく、その"能力"を手にするためには"魔"が必要だ。
だが、"魔"はそう簡単に制御できるシロモノじゃない。
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だから議会は結界を張り、"魔"を放し飼いにすることにした。
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…幸い、このレアモンデは"魔"とのつながりが深い。
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古代キルティア時代に伝説の魔道師メレンカンプが築いた"魔都"だからな。
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あとは"撒き餌"さえあれば、"向こう"から勝手に来てくれるってわけだ。 |
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撒き餌……?
まさか! |
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そうさ。25年前の大地震は"撒き餌"を作るための"調理法"さ。 |
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さまよえる亡霊どもが哭いていやがる…。 |
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"魔"の所有権をめぐる争いというわけか。 |
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アンタは議会側の代表ってわけだ。 |
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……ローゼンクランツといったな。
おまえの話はとても興味深い。
おいおい、よしてくれよ。
嘘なんか言ってないぜ。 |
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だが、確証はない。 |
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……それを探すのがアンタの役目だ。 |
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次は斬るぞ。
…命が惜しければ日が暮れる前にこの街を出ろ。 |
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森を進むなら羽虫を追うンだな。
"魔"の通り道に羽虫が集まるンだ。 |
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本当に行っちまった…。
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生きて森を抜けれるとでも思ってンのか、アイツ。 |